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④ 人は遺伝子の入れ物か
 人をふくめ、生物は「遺伝子の入れ物」である、とする説がある。多くの科学者がそう考えているように思う。その説では、個は重要ではなく、個は種のための一部品でしかない。
 その説を受け入れがたいのは、人間の自我が強すぎないか?という点。その説が正しいとするのなら、人類はもっと全体主義に理解があるのではないか。また、卑近な例では、自分の遺伝子を持たない連れ子への虐待死を考えると「遺伝子の入れ物」説も納得できそうに思えるが、割合的にはそれよりずっと多くの再婚者が、遺伝的にはつながりのない子を我が子のように思い、育てている。本能主体で生きているように見える、犬や猫でも遺伝的につながりのない子を育てる例も多くあることを考えると、遺伝子とは別に魂の存在を考えたほうが現状を説明しやすいように思う。