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③ 人間が築いた文明
 文明の進歩は「なるべく楽をして生きられる環境をつくる」ために発展してきたように見える。現代の環境は、かなり楽をして生きられると思うのだけど、人は幸福にはなっていないようにも思う。人間は「幸福に生きるための環境をつくる」という進歩をしてこなかったのだと思う。それでは、何のために現在の環境にしたのだろう。
 それは、それぞれの人を「精神的な喜びを追求しなくてはいけない状態」に追い込むためではないか。農業をはじめる以前は「その日食べるものが得られたら幸福を感じた」産業革命から最近までは「欲しいものが手に入ったら幸福だった」
 肉体的欲求は満たされ、物質的にも恵まれた先進国の現代人は、めったなことでは幸福を感じなくなる。そこまで追い込まれている、とも言える。
 一見、人を幸福にするかに見える科学技術は、じつは、精神的な成長を人に促すために役立っているという見方をしたらどうだろう。そして、その精神的な成長こそ、輪廻する魂が目指すもの、と捉えられないか、と考えている。